江のブログ

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『非英語圏の留学で英語は身につくか?』欧州留学2年の経験から検証

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 こんばんは,えの吉です。プロフィールにもありますように,自分は2年間ほど会社の制度で留学していました。留学の目的はあくまでも仕事でしたが,語学学習にも大いに役に立ち,満足するレベルで英語がしゃべれるようになりました。一方,自分が留学したのは非英語圏のスイスの大学です。そこで,よく聞く質問が,「非英語圏の留学で英語は身につくのか?」ということです。これは,留学前,せっかくの機会だから英語はマスターしたいと思っていた自分自身の疑問や不安でもありました。

 そこで今回は,非英語圏の大学の留学しても英語は身につくのか?2年間の実体験を踏まえて書きたいと思います。 

 

1.非英語圏の留学で英語は身につくか?

 非英語圏の留学ということですが,ここでは米国と英国,豪州以外の,ドイツ語圏,イタリア語圏などの国際的に開かれた大学をイメージしています。実際のところ,自分がいた大学には,英語のネイティブは殆どいませんでした。殆どが現地スイス人と,多国籍な人種たちです。

 ネイティブがいない理由は,英語が母国語の米国,英国では自国に世界に誇る大学がいくつもあるので,わざわざネイティブは非英語圏の大学には行かない訳です。

 それでは,そんな環境で(正しい)英語は身につくのでしょうか?

いきなり結論

 先に結論を言ってしまいますと,非英語圏であることのデメリットは殆どなく,英語を身に付けることができます。前の記事に書きましたが,留学のメリットは,日本にいるときコミュニケーションをとるための唯一のツールであった日本語を封じられるため,現地でコミュニケーションをとるため外国語を使うことを強いられること,強いられた結果努力をせざるを得ない環境が得られることです。また,その努力が日常的なコミュニケーションを伴って自然に発生するものなので,それほど苦にならない,負担に感じない,ということです。つまり英語上達のために必要な努力の総量は変わりません。

 重要なのは,日本語が使えないため英語を使うのは『自分』であって,まわりの『環境』が非英語圏であるかどうかは関係ありません。ということで非英語圏かどうかは重要ではありません。

 一方,下記のポイントは重要だと思っています。

いかにちょうどいいレベルの英語の話し相手を見つけるか?

 世界の大学では,文字通り世界中から学生が集まります。自分がいたところも,欧州だったので米国と違って中国人はそれほどいなかったですが,トルコ人,ロシア人,イタリア人と人種は実に様々でした。そして,1人(イタリア人)を除いて,皆かなり流暢な英語をしゃべっていました。(ちなみに,欧州語圏では英語を学習した人なら少なくとも発音はきれいです。日本人の和製英語ほど不自然な英語の発音は,世界でも余り類を見ないです。)

 自分の場合,語学留学ではなかったので,英語の勉強に充てる時間が限られました。そんな中で,英語力向上に最も役立ったのは,同じ研究室のメンバーととことん英語で話すことでした。自分も自分より1ランク英会話力が上のトルコ人とよくつるんで,時には英語で大ゲンカをして,などということをやっていました。この過程でかなり英会話力が向上したと感じています。

 この話題については,こちらの記事に詳しく書きましたので,併せて読んでみて下さい。

giron.hateblo.jp

  このように,現地のちょうどいいレベルの英語の話し相手を見つけて,英語をたくさん話すことが,留学中に英語力を上げる基本的な方法となります。

 非英語圏の大学であっても,少なくとも半数以上は流暢にキレイな発音の英語を話します(自分がいた研究室は全員でした)。そのうち誰かとコミュニケーションを取るだけで,多くを学べるのですから,英語の学習環境としては何も不足がないということになります。

  

 もちろん,英語圏/非英語圏という話題とは関係なく,別途,自主的な学習は必要です。これについては、こちらの記事をご覧ください。

giron.hateblo.jp

giron.hateblo.jp

留学後の英語力の到達点

 それでは,留学で話せるようになったのは分かったが,具体的にどれくらい効果があったのか?ということです。以下が,自分の留学前後での主な変化です。

  • バーチャルイングリッシュというアルクのオンライン英会話をやっていましたが,留学開始直後のレベル6から開始して,最終的に最高レベルの9になった
  • 国際学会などの場で,発表・質疑とも余裕でこなせるようになった
  • 帰国後,会社で英語力で一目置いて貰える存在になった

  英語のプレゼンについては別途プレゼン用の決まり文句があるので,学習法こちらの記事をご覧ください。

giron.hateblo.jp

 

 このように,英語圏に留学しなくても,十分の英語の運用力を高めることが実感できるだけでなく,客観的にも英語の上達を確認することができます。

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2.非英語圏への留学の誤解

 次に,それでもなお残る,非英語圏への留学に対するよくある誤解や疑問に対して答えていきたいと思います。

非英語圏の留学すると訛りのある英語にならないか?

 まず大前提として,日本人ほどネイティブの発音を無視して,強烈な訛りの英語を話す人たちはいないということです。インド人も凄いですが,日本人の英語の発音の悪さは世界でも群を抜いていると思います。(字幕映画が全く異なる発音しているのに,なぜこれほど異なる発音をするのか,自分も疑問というか謎に感じているところです。)

 それに対して,欧州,特にドイツ語圏の国で話される英語はかなりキレイでネイティブに近いです。これは,言語自体が日本語ー英語より,ドイツ語ー英語の方が近いから当然です。ただし,もちろんドイツ語と英語の発音体系は違います。しかし,ドイツ人はネイティブの発音を尊重するので,かなりネイティブに近い発音の英語を話します。そのため,例えばドイツ人から英語を習ったとしても,ドイツ訛りの英語しか身につかないかというとそうではなく,かなりネイティブに近い英語を学ぶことができます。

 

 もし仮に,訛りのある英語を学んだ結果,訛りのある英語しかしゃべれなくなったとします。しかし,訛りがでるほど話せるというのは,かなりの英会話力です。しかも,そもそもしゃべれているので,この時点で英語学習は終了です。つまり,訛りのある英語を話す,というのは既に英語をマスターした状態なわけで,むしろ喜ばしい状態だとさえ言えます。

英語のレベルが低くないか?

 ときどき聞くのが,「非英語圏だと,自分のレベルにあった話相手が見つかるのはいいが,あくまで第二外国語としての英語なので,間違っていたり,レベルが低かったりしないか?」という意見です。

 自分は留学する層の中でも留学前の英語のレベルは高かった,と考えています。自分は留学前からTOEIC900点ありました。それでもなお,非英語圏の大学で,第二外国語として英語を操る人達から学ぶことは多かったです。

 まず,留学する側の立場(日本人)を考えると,留学している時点で,流暢には英語を喋れないはずです。また和製英語の影響で発音に問題を抱えている場合が多いはずです。

 一方,非英語圏の大学に行けば,少なくとも半数以上は流暢にキレイな発音の英語を話します(自分がいた研究室は全員でした)。英語圏の大学より,その割合は少ないかもしれないですが,そのうち誰かとコミュニケーションを取ることで,同じように多くを学べます。そして英語力を向上できます。

 という訳で,もともと英語がペラペラである(であれば留学はしないはず!?)場合を除いて,相手は選べばいいということを考えればなおさら,非英語圏で相手のレベルが低すぎる,という可能性はかなり低いと考えられます。

3.まとめ

 今回は,自身の非英語園の大学の留学経験(2年)をもとに,『非英語圏の留学で英語は身につくか?』について記事にしてみました。留学先の国や大学を検討されるときに参考になれば幸いです。