江のブログ

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海外ドラマ『マニフェスト(MANIFEST)』を観た感想~SF・ミステリをミックスした良作!


 今回は最近観た海外ドラマ『マニフェスト(MANIFEST)』の感想です。毎日夜な夜な1~2話ずつ見ていた本作ですが,最終シーズン4は連休を使って一気見してしまいました。一般的に海外ドラマはとても長くてタイパが気になりますが,実際最後まで見て鑑賞して良かった,価値のある良作だと感じましたので,感想を備忘録的に書いてみました。

 

あらすじとタイトルの意味

あらすじ

 海外ドラマ『マニフェスト』は,搭乗した飛行機が乱気流に巻き込まれ,着陸した目的地が5年後の世界であった乗客たちを描くヒューマン・ミステリードラマです。ジャマイカ発ニューヨーク行きのモンテゴ航空828便は,飛行中にレーダーから消え、そのまま行方不明に。墜落し全員が死亡したと誰もが思っていた5年半後,ニューヨークの空港に突如828便が現れ着陸します。

 この出来事により,主人公の女性ミカエラ・ストーン,その兄ベン・ストーンおおびその家族をはじめ,191名の乗客たちは驚くべき変化を経験します。まず,5年半後の月日が流れることで,乗客たちの住む家や所有物,仕事などが全て失われていたり,配偶者や恋人に去られたり,家族が亡くなったりしています。また,乗客は遭難していた5年半の加齢がなく,再開した兄弟の実年齢が離れてしまったりといった現象を目の当たりにします。さらに、彼らの中には”呼びかけ(Calling)”と呼ばれる予知能力に目覚める者も現れ,謎めいた出来事が次々と起こります。

 SFとミステリー,サスペンス,ファンタジーなど,たくさんの要素がうまく組み合わさった作品となっていて,海外ドラマ「ロスト(Lost)」に似た雰囲気です。ロストが好きなら,本作も楽しめると思います。

タイトル「MANIFEST」について

 ちなみに『マニフェスト(MANIFEST)』のタイトル,一見ドラマの内容とは関係のない意味深な名前に見えます。日本ではよく知られているマニフェストの意味「政権公約」と誤解しがちですが,この意味での英語の綴りは「manifesto」です。

 一方「manifest」も様々な意味があり,形容詞の「明白な」という意味がメジャーですが,「manifest」は名詞で「乗客名簿」の意味があり,ドラマの内容そのままのタイトルとなっています。

ストーリー展開と伏線

一般的な海外ドラマとの違い

『マニフェスト(MANIFEST)』の何が良かったというと,先ほど書いたようにメインストーリーが,SFやミステリーやサスペンス,ファンタジーの要素を含んだ,思わず考えこんでしまう興味深いものである上に,各エピソードのサブストーリー(こちらも良くできている)の進行に合わせて謎の解明が紆余曲折しながらも着実に無理なく進行していく点です。   

 海外ドラマはたくさんありますが,短編集のように殆んどメインストーリーの進行がない、水増しエピソードばかりのように感じてしまうものも多いです。

 またこれまた海外ドラマあるあるですが,強引な展開でピンチ,チャンスを演出したり,突然これまで敵味方が入れ替わったり,驚きの展開を演出するために理解不能な行動をとる(そして冷める)ことも多いです。中には仲間や友人を殺害されたのに,1シーズン後には共闘していたりすることにあり,呆れて笑ってしまう(そして冷める)ことがあります。まと,そもそもメインストーリーが定まっているのか怪しくなるような,あとから付け足したとしか思えない場当たり的なエピソードもあったりします。 

良く考えられたストーリー展開と伏線

 が,マニフェストの場合,そのようなボリュームの水増しや引き延ばしのための演出はほとんどありませんでした(一部,主人公のストーン家やその近辺での小さな内輪もめのようなエピソードに若干のダラダラ感はあったが)。おそらく,最初からエンディングまでの大まかなあらすじ,それを構成するのに必須なエピソードの並びと内容,その中で描くディテールのついて,第1話の次点で決まった上で製作が為されたと思われます。

出色の伏線回収のラスト

 なので,物語の進行に違和感を感じる部分はほとんどなく,水増し感のあるエピソードはほぼなくて,そのように感じたエピソードやシーンは後のエピソードでしっかり伏線回収されていました。

 少しネタバレになりますが,それでも前述した主人公であるストーン一家内での内輪もめや家族と各乗客とのエピソードは少し冗長に感じるかもしれません。しかし,シーズン4終盤のクライマックスでは,エピソードの掘り下げがあったからこそ,物語のテーマである「繋がり」を意味あるものとして実感させてくれました。最後まで鑑賞することで,無駄のないストーリー展開の良作だった,と納得感と満足感が得られました。

 

気になる点と突っ込みどころ

 良作の本作ですが,最後にネタバレ満載ですが,最後みたときにぱっと思いつく気になる点やツッコミどころをまとめてみます。

 

・フライトが遭難した5年半の間,死亡したと思われたベン・ストーンの妻グレースを癒した恋人ダニーがいいヤツ過ぎたのに,シーズン2くらいから早くも蚊帳の外で以降一度も登場なくかわいそう。

・ミカエラの男性遍歴の変化が激しい(フリー⇒ジャレッド⇒ジーク⇒フリー⇒ジャレッド⇒ジーク)。またどうしても,純愛のジークより野性的で軽いノリのジャレッドの方が,ミカエラのキャラクターや演技に合っているように感じた。

・アンジェリーナがしぶとく,怖すぎる。米国でもかなり嫌われていたらしいが,ここまで負の感情を掻き立てる演技ができるのは見事。

・NSA(National Security Agent)のバンスが最後いいヤツになり過ぎていた。シーズン1に悪役の体で登場した同シーン後半には味方になる胸アツ展開でファンも多かったと予想。最後の方はストーン一家のほぼイエスマンのようになっていて,身元もバレバレでNSA感がなくなっていた。

・ミカエラの横顔シーンでしゃくれが気になる。

・イェーガー,ジーク,サシャ,ミカミ(ミカサ)など他にも「進撃の巨人」の登場人物を思わせる名前が多く登場した。伏線の多いストーリ展開も似ていて,意識したと思われる。

・文化と世代の違いと思うが、簡単に〇〇〇しすぎ。

まとめ

 今回,海外ドラマ『マニフェスト(MANIFEST)』を観た感想を備忘録的に書いて見ました。メインストーリーを着実に進行しながらのエピソード展開,張られた伏線とラストでの回収など,良くできたドラマだと思いました。それゆえに,良い意味でも悪い意味でもそこまで各話の引きが強くはないので,長期間かけてゆっくり楽しめる良作だと思います。