前回の記事では,「妬み」や「嫉妬」の悪感情について,どのように抑え込むのかについて書きました。
今回は,より具体的な妬みや嫉妬の感情にフォーカスしました。ライバル視している他人の成功を目の当たりにしたときに感じる,『喜べない』 『むかつく』 『許せない』『落ち込む』などの悪感情。時には,親しい友人にすら感じてしまうこれらの感情,そしてその後の罪悪感や自己嫌悪。今回は,これらの悪感情をどう鎮めるか,そもそもどうやったら他人と比較しないで済むかについて記事にしてみました。
『他人の成功』に不快にならず,素直に喜ぶための6つの方法
①他人との比較を止める
まずこの思考パターンを止めることが重要です。なぜなら原理的に幸せになれない考え方だからです。
例えば,ある集団に属していて,その中にライバルがいたとします。その他人の仕事の成功にいつも不快感を覚えていたが,ある日ついにそのライバルを追い抜いて仕事で成功したとします。するとその時は快感です。
しかし今度は,その集団の外まで比較対象を広げてライバルを探し始めます。あるいは,同じ集団の中でも,別の指標,例えば仕事以外の「人望」とか「将来性」とかでライバルを探し始めます。ライバルを蹴落としても(それ自体難しいですが),さらに強力な別のライバルを探すことになりエンドレスです。そして,いつになっても満足することがありません。
最終ゴールは世界一になるしかありませんが,それを達成できるのは世界に1人だけです。
上には上がいるので,他人との比較には際限がない
自分が仕事の成果などで他人と比較しているとき,これは競争ではないということを再認識する必要があります。
自分の仕事は,他人が何をしているか?を気にすることではなく,自分自身のベストを尽くすことであることに留意しましょう。
②心に余裕を持つ
心に余裕を持ちましょう。現代メディアは,人々にあれがない/これが無いと,欠乏感あるいは不安感を煽り,いろいろな物を買わせようとします。「みんなこんな素晴らしいものを手にして,楽しそうに,幸せそうにしている。これを買わないと自分も幸せになれない,自分もこれが欲しい!」と思わされます。
これと似たような精神状態が他人の成功を憎む感情です。他人が成功すると,自分の何かが奪われたような気持ちになります。知り合いがお金持ちだからといって,自分からお金を奪っていくわけではないです。例えば職場で,同僚が昇進したとしても,よほど限られたシチュエーションでない限り,自分自身が不利益を被ることはないです。仮にそのときに限って不利益があったとしても,他の昇進の機会や,さらには他の部署を検討するなど,他にチャンスはたくさんあります。
しかし心に余裕がないと,他人の1回の成功で自分に自信をなくしたり,落ち込んだり,場合によっては絶望感を感じてしまうのです。他にいくらでも自分がうまくやるチャンスはあります。心に余裕をもって,腹を立てるのではなく,やるべきことにエネルギーを注ぎましょう。他人の成功にいらいらするのはただの時間の無駄です。
③世の中は不公平である
私たちは他人の成功に対しても,民主主義の概念である「平等」という概念を持ち込みたくなります。
だから,身の回りで成功した人たちについて,「自分よりできないのに評価されていたなんて・・・」と落ち込んだり,「自分より努力していないのに昇進なんて許せない」などと思ったりします。はたまた「あんなパワハラ上司がなんで出世するのか?むかつく!」とか思ったりします。
しかし,世の中はそうあって欲しいように,いつも平等ではないです。自分の方が,成功に値するとか考えても時間やエネルギーの無駄です。ときには,世の中は理想通りではないと割り切ることも大切です。
平等であるべき,という固定観念を無くして見る!
④自分自身の成功を定義する
世の中には成功者と言われる人は溢れるほどいます。その中のほんの一握りがテレビなどのメディアに出てきて,彼ら成功者の名前と顔を知ることになります。しかし,彼らについて腹が立つでしょうか?おそらく別の世界の住人として,全然腹が立たないのではないかと思います。むしろ彼らの成功を祝ったり,喜んだりできるのではないでしょうか?
自分自身の成功の定義を明確にしましょう。他人は彼らの成功のために頑張っているのであって,仮にそれがうまくいったとしても自分自身の成功を棄損するものではありません。 自分自身を意識を,「他人の成功」ではなく、「自分自身の成功」に向けましょう。自分が比較するのは,他人ではなく,昨日の自分です。毎日努力して,一歩一歩,自身の成功のために前進しましょう。
⑤他人の「成功に向けた努力」に思いを馳せてみる
他人の成功が気になるとき,人が見るのはその結果だけです。しかし,その結果だけ見てムカついたり,落ち込んだりするのではなく,そこに至る努力について目を向けてみてはどうでしょうか。
自分ができないことを達成しているのだから,ライバルもそれ相応の努力をしたことは容易に想像できます。そして,自分自身のように,まわりを蹴落とすのではなく,崇高な目標のために,自己実現のために,頑張っているのかもしれません。
他人の成功は,そのような目に見えない多大な努力や苦労が有ってのものである,という事実にも目を向けてみてはいかがでしょうか。きっと見方が分かると思います。
⑥人生を大きく捉える
自分が,他人との比較に躍起になっている原動力は何か?それ自体の価値をもう一度考え直してみてはいかがでしょうか。
人生を終えるときから逆算して「今」をとらえたとき,それは本当に価値があることでしょうか?また,それについて,今自分がライバル視している相手に勝つことは重要なことでしょうか。
この記事を読んでいる人で22世紀まで生きられる人は一人もいないです。当たり前の話ですが,人生は有限で,かつそれは意外に短いです。「死」から逆算して「今」を考えた時,他人との比較はどうでも良く,自分が目指す最終到達点にいかに到達するか,人生をどのように全うするか,ということの方が自然と重要に感じられるのではないでしょうか。
人生は短い,その中で他人を蹴落とすことの優先度は?自分の成長に時間を使おう
まとめ
今回は,妬み,嫉みの感情が最も露呈しやすい「他人の成功」を目の当たりにしたときに感じる,『喜べない』 『むかつく』 『許せない』『落ち込む』などの感情をどう鎮めるか,そもそもどうやったら他人と比較しないで済むかについて記事にしてみました。記事の内容が,皆さまの参考になれば幸いです。今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。