江のブログ

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頭いい人の定義とは?最近もてはやされるインフルエンサーたちの『頭の回転の速さ』について思うこと

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  今回は頭の良さについて考えてみました。ひと昔前(というか昭和の時代?)は高学歴だったり、テストの点数が高かったり,IQが高いことが頭の良さの基準だったと思います。しかし最近では,こういった知性より,『頭の回転の速さ』が評価されたり,重要視されてきているように感じます。英語では,「頭の回転の速さ」=「quick thinking」というそうで海外にもある概念のようですが,日本ではそれが殊更持て囃されているように感じます。

 なぜ「頭の回転」がもてはやされるのか?「頭の良さ」とは何なのか?まずは最近の頭のいい人達と言われる人たちの傾向を見てみたいと思います。

 

最近の「頭いい人」と見做される人の傾向

 まず最近の頭のいい人達とは反対に,「昔は頭がいいと見なされていたが,最近ではそう見なされなくなってきた人たち」について考えてみたいと思います。

最近頭いいと見なされなくなった人たち

 いわゆる東大卒など高学歴の人や偏差値エリートたちです。彼らは,かつては頭のいい代名詞でした。しかし,最近はこのような偏差値が高いだけの人たちは努力型の秀才であり天才ではない,と見做されます。むしろ努力家であるが故の不器用な面がクローズアップされるようになってきたように感じます(最近の東大生のクイズ王などで少し変わってきたかもしれませんが)。

 努力したから,勉強したから偏差値が高かったり,東大に受かったのであって,決して生まれもった頭が良い訳ではない,才能でもないということのようです。

最近の『頭が良い」の基準=頭の回転が速い

 最近もてはやされているのが『頭の回転の速い』と言われる人たちです。質問やツッコミなどへの切り替えしが上手かったり,アドリブの割に気の利いたことを言うと,頭の回転が速いと思われているようです。

 このような頭の回転が速い人たちとして思い浮かぶのは「お笑い芸人」だと思います。頭の回転が速くて皆を楽しませることのできるお笑い芸人は,「天才」とか「(本当の意味で)頭がいい」とか言われてたりします。

  一方でお笑い芸人は必ずしもいろんな分野に対して何か発言したり,意見したりできる訳ではないです。最近ワイドショーなどで,元お笑い芸人の社会問題への言及は増えていて,ファンやネットニュースの注意を引き付けているものの,全体で見れば頭が良いことの1要素である『知的である』という点においては今一歩という存在でもあります。

頭の回転が速い代表格:インフルエンサー

 そこで最近,頭の回転の速く,頭イイ代表格になってきたのが,ひろゆきとかDaigoなどのインフルエンサーです。彼らは,学歴があって,かつ頭の回転が速く(というかそこに価値観を感じて訓練をしてきているように見える),幅広い分野について専門家ではないけど意見を言えるような人達です。

 万人が頭がいいと認めている訳でもなさそうですが,オンラインサロンでサブスクの有料会員をそれなりの規模で集めたりと,一部で熱狂的なファン=信者を抱えているようです。

頭の回転の速さが持て囃される理由

 確かに,公開討論などでその瞬間瞬間で適切な言葉をチョイスして長いセンテンスを話すと知的に見えますし,逆に返答にもたついたりするのは格好は良くないです。

 また,彼らはそういった能力を生かしてYoutubeで動画配信したり,自己啓発本のようなものを多数を書いたりして,平均的なサラリーマンより遥かに高い収入を得ています。

 これが,『頭の回転の速さ』およびその代表格である「インフルエンサー」たちが持て囃されている理由でしょうし,それも理解できます。

 

頭の回転の速さと頭の良さの違い

 しかし個人的には,お笑い芸人やインフルエンサーが持て囃されたり,頭イイとして社会的な影響度が増していることに違和感を感じています。

インフルエンサーは重要な社会課題を解決できない

 まず,本当の意味で『頭がいい』とは何だろうか考えてみると,一般とは並外れた身体能力を発揮できるのが「運動のできる人」とするなら,「頭いい人」というのは一般人では到底解けないような社会的な難問を解決できる知性の持ち主であるべきと思います。

 例えば,科学であればすぐにお金に成らなくても人類の英知の資する法則を発見したり,技術者であれば核心的な発明をしたり,政治であれば出色の政策提言をしたり,です。もちろん程度によりますが,偉業を並外れた知性で成し遂げるような人が『頭が良い』のではないかと思います。

 

 それでは頭の回転の速いインフルエンサーたちはこういった社会的な難問をその知性により解決し,人類に幸せ導けることができる/できているでしょうか?

 残念ながらそのようには思いません。

 

 なぜかと言うと,頭の回転が速い人が売りにしている,即興的な言葉の切り返しの上手さや,瞬発力,相手を論破したりする能力というのは,先に書いたような問題解決能力とは関係がないからです。

 インフルエンサーたちの言葉の即興性や論破力以外のところに目を向けてみても,彼らは,誰にも負けないような深い専門知識をもっているでしょうか?本を数冊かじった程度の表面的な知識しか持ち合わせていないように感じます。

 彼らは,深い洞察力を持って新しい物の見方や深い考え方を国内,国外含めて世に示しているでしょうか?何か,世界に通用するような著作物や作品を残しているでしょうか?万人向けの自己啓発本しか残していないように見えます。

 

 つまりインフルエンサーの実際の社会的な影響度によくよく考えてみると,その瞬間瞬間にもっともらしく見えるような表面的な発言・提言・議論はするものの,彼らの主義・主張は採用されないし,後には何も残っていない,ということです。

 

 こうなってしまう理由として,インフルエンサーたちはとかく個人プレーが多いということもあげられると思います。たしかに個人として見たときに並外れた量の情報収集をしているのかもしれませんが,結果的にオリジナルなアイデアが出てきたり,大きなことを成し遂げたりということは聞きません。これは個人プレーが故の限界なのだとも思います。

価値のある『頭の良さ』とは

 少し話がそれましたが,それでは本当に価値のある『頭の良さ』とは何か?を考えてみると,上に書いたのと真逆で,社会的難題を解決できる知性を持ち合わせていて,それを実行できる能力を持った人ということになると思います。

 その能力とは,即興性とは反対に,時間をかけてもいいのでじっくりと課題を正しく深く分析できる能力です。

 また,分析した課題に対して,ただ意見を述べるだけではなく,実現可能の解決策を考えてそれを実行する能力だと思います。それこそ,困難を解決できるという意味で,本当に頭の良さだと思うのです。

 

 こういった人達は,『頭の回転が速い』人の特徴である,「切り返し」とか「論破」とかの表面的なエンターテインメント性を持ち合わせていません。従って,世間一般で持て囃されることはないですが,世の中の良い影響を与えて,真に頭のいい人たちとはこういった人達をさすのだと思います。

まとめ

 今回は,最近社会的な影響度が大きくなっていて,頭の回転が速いと見なされる「インフルエンサー」を例に,頭の良さについて考えてみました。結局のところ,頭がいい!というのは所詮誉め言葉に過ぎないと思うのですが,それが社会的難題を解決し,多くの人を幸せに導く真に知的な人たちに使われて欲しい,と思います。