江のブログ

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最近増えた「転売屋,せどり」とその対策について思うこと

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最近では「転売ヤー(buyer)」などとも揶揄されている転売屋や”せどり”ですが,最近ではすっかり世間に嫌われて「消えろ,逮捕しろ」など社会問題としても取り上げられるようになっています。話題の人気商品を大量購入し,高値で売りさばて利ざやを得る,そして何よりし真の需要者の利益を損ねる(商品が手に入らない)ということで社会問題化しているようです。個人としても,最新ゲーム機がなかなか手に入らず,迷惑しているところです。。今回はそんな転売屋について個人的に思うことを書いてみました。

 

転売が増えた理由

 まず転売屋とせどりはやっていることは同じです、違いは本を対象とした転売を「せどり」と呼んでいた歴史的な背景くらいです。

 増えた理由は,ネット通販とフリマアプリが普及したからと言われています。大元をたどれば,スマホの普及や高速のネット環境の整備といった所かもしれません。ネット通販で自宅にながら,新商品,人気商品などの「商材を調達」し,フリマアプリで自由に値付けして「簡単に売る」ことが可能となってしまいました。

 

 転売屋の影響としては,まず商品が買い占められることで品薄状態が加速されて(ただ転売が本当に品薄状態を引き起こしているかについては議論があるとは思います),これによって通常価格で買いたい多くのユーザーが,転売屋が設定した高額な価格でしか購入できなくなる,ということが起きてしまいます。

 

転売屋について思うこと~かわいそうな人たち

まず転売屋について個人的に思う感想は,『かわいそうな人たち』です。その理由は次の3つです。

①世間に忌み嫌われている

 転売屋は皆に嫌われます。一部の人々にとっては,「買って売るだけ」というやってることに比して,とてつもない怒りを買っているようです。というのも,人気商品を購入したいユーザーは,その商品に強い思い入れがあります。そのため,その商品を入手しずらくする転売屋に対しての怒りは尋常ではないという訳です。

 転売そのものは違法ではありませんが,販売方法や価格,仕入れ方法などによっては逮捕されることもあり得ますし,世間の恨みを買うような仕事は副業であってもやりたくありません。また,やらざるを得ない背景があるのだとしたら,それは不幸なことだと思います。

②スキルが身につかない

 2つ目は,スキルが身につかない,という点です。転売行為の多くは本業というより副業だと思いますが,転売屋のやることは「売れ筋の品薄商品を探して,これを買い占め,差額をつけてその利ザヤを得る」だけです。

 作業自体は何のスキルアップにもつながらない単純作業です。しかも何も行動しないでは転売はできません。わざわざ大量に商品を購入して,それをフリマアプリに掲載して,注文があればそれらを注文者に発送しなければなりません。スキルアップにつながらない作業は時間の浪費です。

③不安を抱えながらの副業

また,万が一売れなかったときには,在庫がたまって利益が殆どなかったり,フリマの手数料や送料など考えると赤字になるリスクさえあります。

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転売屋への対策について思うこと

 以上のような実害のある転売屋ですが,どのようにすれば減らせるでしょうか。転売屋にいくら「嫌いだ,消えろ」と訴えたところで,何も変わりません。そしてどのように対応したらいいでしょうか。小売店,フリマアプリ,メーカー,ユーザーの4者のそれぞれの立場で考えてみたいと思います。

①小売店側の対策

 小売り店側にできることは何でしょうか?最近では,ゲーム機などの場合,外箱に名前を書かせて販売することも検討されています。こうすることで,転売時に自分の名前が晒されるので,かなり転売しにくくなるという狙いです。

一方で,ユーザー側の不利益もあります。どんな人でも,転売でなくても,いずれはその商品に飽きてフリマで売りたいと思うはずです。そんなとき外箱付きで売れなくなるというユーザー側の不便があります。

②フリマアプリ側の対策

フリマアプリ運営側にできることは何でしょうか?できることと言えば,特定商品について定価以上での販売を監視・規制することで転売を抑制することでしょうか。

 しかしモグラたたきのように,一つの商品が規制されれば次は他の商品といった形で,キリがありません。このように規制の範囲が広がることがユーザー側の利便性を損なうことになってしまいます。

「そもそも転売屋がいなければこのような対策すら考える必要ない」と思っても,対策できなければ文句を言っても仕方がありません。

③メーカー側の対策

次にメーカーではどのように転売対策できるでしょうか?できることと言えば,2つくらいです。

1つは,定価を引き上げることです。極端な話、転売屋がやっているような高額で販売することです。値段が上がれば,ある価格以上で人は買わなくなります。例えばゲーム機が100万円で売られていたらさすがに誰も買わないでしょう。

つまり,発売直後は需要の高さと供給の少なさに比して,値段が安すぎるとも言えます。発売直後の需給のバランスとれるような価格設定をする,つまり最初から定価を高額とすることで,転売屋は参入してこなくなります。

しかしこれをやってしまうと,いくら転売阻止の目的があったとしても,今度はメーカーがユーザー側の批判の的になってしまうはずです。ですので,発売直後だけ値段をつり上げるというのは実質不可能です。

 

2つ目は,ある程度まとまった在庫分を生産してから発売することです。こうすれば,転売屋が買い占めを図っても市場は品薄にならずに,転売屋は商売あがったりです。

しかし副作用もたくさんあります。メーカー側からしたら,少しでも早く発売して投資回収を早めたいのに,それができなくなります。また,ユーザー視点でも,物があるなら早く買って使いたい・遊びたい訳で,ユーザーの不満が募ります。

タイムリーに世の中に出して欲しいというのはユーザー自身が望んでいることです。

 

「そもそも転売屋がいなければこのような対策すら考える必要ない」と思っても,対策できなければ文句を言っても仕方がありません。

④ユーザー側の対策

こう見ていくと,ユーザー側にも転売対策を難しくしている原因があるのではないかと思っています。①では,どんなユーザーも最終的には中古で売ってしまいたいと思っていること,②ではフリマアプリで規制をしまくるとユーザーの利便性を損なうこと,③ではユーザー自身がメーカーに発売を早くしてほしいと思っていること(このため十分に生産できない),結局は転売屋の高額設定でも買うユーザーがいるという事実です。

 

できる範囲で可能な限り規制していくべきだと思いますが,対策・規制すると,逆にさらに手に入りにくくなったり,アプリの機能が制限されたり不便な世の中になってしまうことは不可避です。今の便利さを維持するのであれば転売屋の発生は避けられないということです。

 

ユーザー側でできることと言えば,「いずれ商品は市場に出回り転売は終わる」という事実を認識し「本当に今必要なものか?」ということを自問自答し,「転売屋からは物は買わないようにする」ことを意識して我慢して待つのが,精神衛生上を考えても良いのではないかと思います。

まとめ

 今回は最近何かと話題の転売屋について考えてみました。いろいろ対策を考えても,利便性がトレードオフで即解決は難しいのではないかと思います。転売屋は今後もなくならないと思います。しかし1つの商品について見てみれば,いずれ生産量が増え市場に流通することで,かならず転売は終わります。個人的には「本当に今すぐ必要なものか?」を冷静に見極めて,適正価格で買っていきたいと思っています。