江のブログ

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『物理』の勉強について世間で誤解されていると思うことと,学ぶ意味・ご利益

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 世間では物理についてどのようなイメージを持たれているでしょうか?日常生活では役に立たない,何やら小難しい,現実離れしたことをやっている,と思われたりしがちだと思います。

 以前の記事で物理や数学が「日常生活で役に立たなそう」なのに皆が教育を受けることに対して,身の回りの家電やスマホ,車,照明,など便利なものの殆どが物理の法則に基づいて設計されていて重要であるのはもちろん、これらを発明する理系エリートの卵を育て・埋もれさせないために義務教育段階でほぼ全員に教育を施すことが必要だと下記ました。

giron.hateblo.jp

 しかし、実際物理を大学院まで勉強してみて,そういった科学技術の側面だけでなく,または一部の科学者が持つような強い好奇心のためとか,世界で最初に発見した人間になりたいという名誉欲でもない,人生を考える上の一般教養として学ぶ意義があるのではないかと思っています。今回は,人生観まで遡って,物理(学)を勉強する意味と学ぶことによりご利益について考えてみたいと思います。

 

人生を深く考えると知りたくなる物理

 人はいずれ死にます。そんな一度きりの人生で,自分が生きているこの世の中がどのような仕組みで動いているのか?自分はどんな世界に生きているのか?というのは本能に近い感情で知りたくなるのは自然なことではないでしょうか?

 これは世間からは全く共感されない「科学者の知りたい欲求」などとは異なり,これまた世間からは全く共感されない,「マイナーな事象の第一発見者になりたい!」という研究者魂みたいなものとも異なる,人間の自然な根源的な欲求だと思います。

なんで物理は小難しく見えるのか?

 物理とはまさに物の理(ことわり)であって,まさにどのようにこの世界が成り立っているのかということ記述する学問です。もちろん,全ての事象が物理で説明できる訳ではありませんし,まだ分からないこともあります。

 しかし,一般の人間が想像しうる現象は殆どがすでに科学的に説明可能となっています。物理を勉強していない人の「科学でも分からないことはある!」という発言が殆ど具体性を持たないように,科学でも分かることより,分からないことをの方が例を挙げるは難しいです。

 それでは,物理,化学が小難しくて役に立たないイメージを持たれるのはなぜでしょうか?それは,自然を矛盾なく記述しようとした結果,思いの他,自然というのは大学レベルの数学をもってしないと記述できない複雑な世界だったと,というだけなのです。だから,結果的に物理の教科書は小難しい数式に溢れているのだけなのです。我々が生きている正解はそんな単純で分かりやすくあって欲しかったけど,人間(レベル)の脳で捉えるようとするとそうではなかった,ということです。

ジブリ的な自然も物理の対象 

 少し話がそれましたが,物理を学ぶことで,完璧ではないですが、自分が生きている世界がどのようにして成り立っているのか?を知ることができます。

中にはこのような人もいるかもしれません。「確かに,一度きりの人生,自分が生きている世界を知りたいのは理解できる。しかし自分が知りたいのはそんな物理や化学などの浮世離れした人工的なものではなく,ナチュラルな自然が知りたいんだ」と。

 

 しかし実際には,人工物や科学技術と対比される宮崎駿さんのジブリ的な緑の大自然といったものでさえも,物理学の記述の対象です。より具体的には,物理学をベースに成り立つ,化学や生物学により記述することができます。すなわち元をただせば,全てのものは分子・原子で記述されるということなります。

 

 人によっては,物理や化学などはどうでもよくて,人間が本能であるがままに捉える自然を理解すれば十分という人もいいでしょう。

 しかし個人的には,その世の中のもの大部分が物理・化学で記述できる以上,大元の自然科学(物理・化学)から目を背けることは,個人的には現実逃避しているように見えてしまうのです。

 もちろん人生をどのように捉えるかは個人の自由であるのは間違いないです。しかし,人生について突き詰めて考えたとき,その根本の成り立ちを理解しておきたいとどうして思ってしまう,その方が自然な流れと思えるのです。

 

物理を学ぶ意味・ご利益

 だいたい今回言いたかったことは以上なのですが笑,物理を学ぶといいことを書いてみます。

世の中の世俗的な価値観に振り回されなくなる

 1つ目は,以上で書いてきたことと,直接関連することですが,世の中の一過性の世俗的な価値観に振り回されなくなるということが挙げられます。これは,物理を学ぶことで,人生を人間を客観的に捉えられるからだと思います。一言で言うと,人生を達観できるということでしょうか。つまらない,人間関係や人事評価,他人との比較で頭を悩ませることが減ります。

荒唐無稽な物や言説に騙されにくくなる

 今世の中は,怪しいものに溢れてします。占い,新興宗教,幽霊,減量サプリ,怪しい健康器具,陰謀説などです。最近では,ワクチンの陰謀論や人体への悪影響などのデマもあります。

 そして残念なことに,こういった荒唐無稽な物や言説に,すぐ引っ掛かってしまう人達がいます。

 こちらの記事に書きましたように,物理を学べば,幽霊や心霊現象などの空想に捉われたまま人生を終えることがなくなります。

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 世の中の大半が科学で記述できるるので,それを学ぶことで,それと矛盾した荒唐無稽な物や言説のウソを見抜くことができるからです。

 これを言うと必ずいるのが,「科学でも分からないことはある!」という発言ですが,こういった人たちはそもそも科学を勉強をしてなく,何が分かるのか,何が説明できない現象かも分からず発言している場合は殆どです。

 科学で分かることより,分からないことをの例を挙げる方が難しいです。

 といっても現実は優しくはないので,そういった現実に耐えられない人は,空想の世界に逃げ込むためにあえて物理を学ばないことを選ぶのも手かもしれませんが。。。

当然ですが研究・開発職には役立つ

 最後に当然ですが,理系の研究・開発職など仕事に役立ちます。

 私も企業の研究者なのですが,実は企業で扱うことの大部分は数式だからの物理・化学の教科書にあるような難しい世界ではなく,ノウハウ化された,算数レベルのロジックで進められるような単純な仕事が多いのです。実態がこうなので,会社に入ると研究・開発職の人は,大学時代に学んだ基礎学問である物理・化学をどんどん忘れてしまうのです。

 しかし,研究・開発の重要な節目では基礎力が試されるような場面が多く,一流の研究者・技術者で基礎ができていない人はいません。そういう意味で,当然な結論かもしれませんが,研究・開発職では物理・化学の基礎は重要です。

まとめ

 今回は物理・化学について世間で誤解されていることと,物理を学ぶことの意義と,学ぶことで得られるご利益について考えてみました。個人的には,1度きりの人生なので,自分が暮らす身の回りの自然の仕組みを知っておきたいですし,人生を深く考えたい人は是非とも勉強をすべき対象ではないかと思っています。