江のブログ

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【ボクシング×キック×MMA】異種格闘技の構図とつまらないと思う理由

ひと昔前は年末特番で複数の民放で生放送されていた格闘技,その時と比べるとだいぶ世間的にも個人的にも関心は下がっていますが,今でもネット配信が話題になるくらいの人気はキープしているようです。その中で定期的に盛り上がりを見せているのが,ボクシング×キック×MMAの異種格闘技

どっちが強い?とか「くだらないなぁ」と思いながら,なぜか興味をもってしまう存在です。そう思う理由として,異種格闘技の構図とそれぞれの力関係を競技人口なども加味して考えながら,最後にどうせやるならこんな異種格闘技試合を、というのを考えてみました。

 

競技人口

まず,ボクシング,キック,MMAの競技人口を把握しておきます。ネットで調べると,ボクシングは25,000人という数字が出てきました。またMMAは,10,000人くらいだそうです。一方,キックボクシングはマイナー故か数字が出てこず,ボクシングの1/10や1/100といった噂レベルの数しか出てきませんでした。1/100だと250人ということで,さすがにこれはないだろうと思うので,仮に1/10としておきますが,2,500人と相対的にかなりの少ない競技人口です。

・競技人口:ボクシング>MMA>>キックボクシング

ボクシング×キック×MMA異種格闘技

異種格闘技で最初に重要かつはっきりさせておかないといけないのは,ボクシング,キック,MMA,それぞれに必要とされる競技能力はオーバーラップしていて,基本的には次のような関係であるということです。

 

・ボクシング=パンチのみ*

・キックボクシング=ボクシング+キック*

・MMA=ボクシング+キック+寝技*

 

*もちろん,細かいルールで,キックボクシングにないボクシングのルール,MMAにない,キックボクシングのルールはあります,念のため。。。

 

という訳で、異種格闘技をする際,ボクシングの競技者がキックボクシングをやるということは,全く訓練していないキックをやることになるので,ボクサーが圧倒的に不利になります。

これは,競技として寝技を経験していないキックボクシングの選手がMMAをやるのと同じことです。つまり,攻撃手段を多く持つ競技が有利,つまり1<<2,2<<3,1<<3と有利になります。

ですが,このケースは有利,不利がはっきりし過ぎているので,まともな形でこのような試合が組まれることはめったにありません。あったとして,そこそこ現役時代に活躍した肩書を持つ引退したボクサーが,咬ませ犬的にキックやMMAに挑戦する場合くらいです。

異種格闘技をボクシングルールで実施する場合

では,逆の場合はどうでしょうか?すなわち,キックボクシングの選手がボクシングの選手とボクシングで対戦する場合などです。あるいは,MMAの選手がキックボクシングの選手とキックボクシングで対戦する場合などです。

 

この場合,それぞれボクシング技術,キックボクシングの技術は,それぞれの対戦で共通する技術になります。このため,先ほどの例よりははるかに公平ではあると言えます。しかし,前者のボクシングxキックボクシングで言えば,ボクシングに特化してきたボクサーが優位になります。(もちろんボクシング特有のルールや戦い方に慣れているという観点の優位性もあります。)

また,同様にMMAの選手がキックボクシングの選手とキックボクシングで対戦する場合は,キックボクシングが優位になります。

つまり,さきほどとは逆で,攻撃手段の少ない競技が有利となり,1>2,2>3,1>3と有利になります。

競技人口の差ゆえに生じる逆転現象

ところがこの場合,先の例よりは公平であるがゆえに,競技人口に由来した競技自体のレベルの差も影響することで,先ほど挙げた予想される対戦結果(1>2,2>3,1>3)の逆転現象がときたま見られます。

さきほど,競技人口の話で,ボクシング>MMA>>キックボクシング(1>3>>2)という話をしました(同様に,同格の試合のファイトマネーも,ボクシング>MMA>>キックボクシング)。すると,特に競技人口格差の大きい,MMAーキックボクシング間では,ベースの競技レベルがMMA>キックボクシングなので,逆転現象が起きやすくなります。

 

例えば,MMAの選手がキックボクシングの選手とキックボクシングで対戦する場合だと(というかこの場合に多い,というこの場合しかない),およそキックボクシングの経験などない(というよりMMAの経験すらない)ボブ・サップが当時K1王者だったアーネストホーストをぼこぼこにしてしまったのは,記憶に新しい・・・ということはなくても,記憶に残っています。

また,キックボクシングの戦いとはおよそ言えない,チェ・ホンマンや,ぎこちない動きのセーム・シュルトが大活躍していたのも,キックボクシングの競技人口が少ないが故の層の薄さ,つまり競技レベルの低さを示しています。

さらに可能性の話として,UFC(世界最大のMMA団体)の一流のMMA選手が,K1などのキックボクシングの乗り込んできたら,圧倒するはずです。

ではなぜそのような試合がないかとというと,これまた競技人口に由来して,ファイトマネーが全然違うので,UFCの一流のMMA選手は,そのような試合には見向きもしないからです。選手だけでなく,ファンも同じです。そのような試合が観たいのは,キックボクシングが市民権を得ている日本だけで,本場のファンは日本のキックボクサーことは知らず,よりよって異種格闘技など観たくないからです。

 

異種格闘技で見てみたい試合

 以上を踏まえて,個人的に見てみたい異種格闘技の組み合わせは,「MMAの選手がキックボクシングの選手とボクシングで対戦する試合」です。

先ほどから,競技人口が競技レベルに比例する前提で話を進めてきましたが,これもしっかり証明された話ではありません。これを示す上でも,それぞれキックボクサーが得意とするキック,MMA選手が得意とする寝技が封じされた状態でどこまでできるのか?共通技術であるボクシングで戦えば白黒はっきりすると思います。つまり,キックボクシング,MMAの素の競技レベルが図られると思うのです。

 細かいところでいうと,基本的には立ち技であるキックボクシングの方がそうでないMMA選手より立ち技であるボクシングで優位なはずですが,何度挙げてきた「競技人口が少ないゆえのキックボクシング選手の層の薄さ」を考慮すると,互いのハンデは互角とも言え,こういった意味でも均衡した戦いが期待できるのではと思います。

 異種格闘技で関心があるのは,個人対個人の戦いでもありますが,なんだかんだ言っても,競技間のプライドをかけた戦いということもあると思います。その意味で,これこそが異種格闘技の醍醐味とも言えるし,緊張感のある試合が楽しめるのではないかと思います。

まとめ

 今回は格闘技界をときどき賑わかせる異種格闘技について記事にしてみました。今回の内容で,異種格闘技の構図や力関係についてはおおよそ言及できたかなと思います。最後に書いた「MMAの選手がキックボクシングの選手とボクシングで対戦する試合」,しかもチャンピオン同士くらいのレベルの試合は,是非とも観てみたいものです。