江のブログ

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ひろゆき×上念司の論破対決(日本没落・デフレ・失業)を視聴した感想

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 今回は最近Youtubeで観た,2ch創設者のひろゆきさんと,経済評論家の上念司さんの激論対談について記事にしました。日本経済停滞の理由の分析と今後必要な政策について激しい議論を交わしていて,とても面白かったので視聴後感想をまとめてみました。

*コメント欄で頭のおかしい人に絡まれてしまったのですが,これはこれで可笑しいポイントなのですが,そこは重要でないのでよろしくお願いします(笑)

↓参考記事

giron.hateblo.jp

 

動画でのひろゆき氏の主張

今回視聴したYoutube動画のリンク

 まずこちらが,ひろゆき氏,上念氏の対談の動画です(有料チャンネルのようで,無料分しかみれないようです)。

【大激論】ひろゆきvs上念司、因縁の論破対決「デフレの定義を分かってない」発言でヒートアップ - YouTube

 またこちらが,対談後にひろゆき氏が単独で対談の感想を述べられている動画です。

失業者が出るのは良い事…上念司さんと12年ぶりに共演しました。今の日本はこうなってますよ、の話【ひろゆき切り抜き,論破】 - YouTube

論点とひろゆき氏の主張

両者の動画をみて,ひろゆき氏の主張をまとめるとこんなところかなと思います。

①日本のバブル崩壊後の没落は,日本の世界の中でのGDP割合が大幅低下したことに現れており,2010年代の不況は為替(円高)ではなく中国が台頭し日本製品が売れなくなったから

②アベノミクスの成果と言われる「失業率低下」は日本経済にとって重要でない。むしろ新しい産業を創るのに「失業者がでるのは良いこと」。

③デフレでも好景気なら良い

 世間では「ひろゆきが論破された,上念さんの完勝」ということになっているようです。しかし,③はひろゆきさんの明らかな誤認として、是々非々で判断すれば,①②については全て間違っている訳ではないと思っています。次に,ひろゆきさんの主張を中心に,感想とおかしいと思う点をまとめてみたいと思います。

 

視聴後の感想と,ひろゆき氏の主張でおかしいと思う点

①日本没落は為替ではなく中国台頭と日本製品が売れなくなったことが原因

 日本の没落についてですが,まずひろゆきさんが最初の前提「世界の総GDPに占める日本の割合」に着目しているところからもうおかしい,と思っています。
 「日本の総GDPの世界の中での割合が中国では伸びているのに,日本では低下している,ゆえに「日本は没落」している」という論法です。

 しかし,中国は日本の約10倍以上の人口がいるので,仮に1人当たりの豊かさが中国人が日本人の1/5だとしても,総GDPは2倍となります。つまり,世界の総GDP比が中国増加,日本が低下となるのは当然のことです。この結果をもとに日本の没落を言うなら,中国以外の全ての国が没落していることになってしまいます。(総GDP比が,中国のみ増加,中国以外の全ての国で低下)

 言い換えれば,中国がどこよりも急成長したというだけで,この状態を「日本の没落」とは言わないです。

 1つの国の成長・没落を判断にするのに適当なのは「1人当たりのGDP」です。これが,他国が伸びているのに日本だけ伸びていないことが問題と思います。これは上念さんも動画の中で指摘しています。

 次に為替についてです。

日本経済はいまだに,自動車,半導体(メモリ:キオクシアが世界3位,CMOSセンサ:ソニーが世界1位,車載向け:ルネサス)など輸出産業に支えられているのは事実(内需が多いのも事実ですが)であり,円安が日本に利するのは明らかです。ただ円安だけでは問題の一部しか解決しないのは当然で,競争力のある産業・製品の創出が必要なのは事実です。この部分については,ひろゆき氏の主張は正しいです(しかしこれは上念さんの主張が誤りであることを意味しません)。

 以上まとめると,まず日本の景気の尺度としてみるべきは,「世界の総GDPに占める日本の割合」ではなく「1人当たりのGDP」(およびその世界比較)であること。日本没落には,「①為替の問題」と「②日本の国際競争力が低下」したという2つの要因があるということ,そして10年前の①によって②が加速し,今では要因の比重として②>①になっている,というのが正解ではないかと考えています。

②失業者がでるのは良いこと

 ひろゆき氏は「失業賛成」,上念氏は「失業反対」のように見えますが,議論が噛み合っていない最大のポイントは,「①失業するという変化」と「②失業しているという状態」がごっちゃになっているということだと思います。
 ひろゆき氏が動画②の中で,シャープと東芝を例に出して「失業を増やすべき」といっているのは,詰まるところ労働市場の流動性を高めて一時的な「①失業という変化」が発生させることです。これは産業構造改革を進めるために,どんどんやるべきだと思います。しかしここで,目的はあくまで労働市場の流動性を高めることであって,「①失業という変化」はその手段に過ぎないと思います。
 一方,上念さんが繰り返し述べている失業率というのは「②失業しているという状態」の割合のことです。これは低い方が良いに決まっています。失業していたら「生産」をしないのでGDP(国民総生産)も下がってしまいます。なので失業率(=②失業しているという状態の割合)が低いのは正しいです。

 という訳で,ひろゆきさんだけでなく,上念さんもこの違いに気づかず,定義の違う「失業」というワードについて,その良し悪しを主張しあうという不毛な議論になってしまっています。

③デフレでも好景気なら良い

 これはもう明らかにひろゆき氏の間違いで上念さんが正しく,デフレとディスインフレの定義の勘違いと,物価と価格の混同のくだりで話は終わりです。動画で上念さんが何度もおっしゃられているように,デフレで好景気はあり得ません。

 

 ただし,ここから出てくる結論で重要と思うのは,デフレ脱却は最重要であり,デフレ脱却するまで金融緩和は必要ということだと思います。つまり①でもでてきた,金融政策か,新産業の創出のどちらが重要か?(どちらも重要ですが)の議論は,0か1かの議論にしてはダメで,どちらも重要ということになります。景気回復にクリティカルなデフレ脱却のための金融政策は必須だが,これだけで日本経済が復活しのは間違いなく,産業構造改革も併せて必要ということです。

 とっても当たり前の結論ですが,この手の議論が不毛になるのはそれぞれが自分の主張したいポイントだけ主張することです。お互いの主張のポイントのメリット・デメリットを俎上に上げたうえで,どの時期(今?将来?)に誰にとってどちらがより重要かをフィージビリティも考慮して判断するのが重要ではないかと思います。

giron.hateblo.jp

まとめ

 今回の記事をまとめます。全体を見てみると,ひろゆきさんの知識不足に起因した,物価と価格の混同,デフレとディスインフレの理解の欠如は置いておくとして,両者が主張する観点のどちらも一理あるということだと思っています。もう少しお互いの論点を認め合いつつ,相対的にどちらがより重要か?みたいな議論ができないものかと思った次第です。