幽霊や心霊現象はあるのでしょうか?自分は子供の頃からずっと信じていません。
大学時代にこんなことがありました。心霊現象を扱った番組についてあり得ない,というノリで話していると,言われたのが「そんなこと言ってると,女の子にモテないぞ🎵」。とっさに,「光は光子で,光子は電磁波であり,その電磁波を光電効果でダイオードを使って電気に変換して,この原理を応用したのがデジカメであり・・・」・・・確かにモテないと思う。しかし今でも「幽霊はいない」という考えては変わっていないです。
しかし,テレビをつけると今だに幽霊や心霊現象にフィーチャーした番組をやっています。もちろん自分は見つけ次第チャンネルを変えますが,その時思うのが「今だにこんなニーズがあるんだ」ということ。子供の頃ならいざ知らず,大人もターゲットにしたゴールデンタイムにいまだに幽霊をテーマにした番組なんてやるんだ,という驚き。
前置きが長くなりましたが,今回は,幽霊を信じる人の心理・理由について考えてみました。
幽霊はいない
まず幽霊はいません。これまで40年以上,幽霊を待ち望んできたが一度も見たことがないです。子供の頃,心霊写真の該当部分をグリグリして,幽霊に恨みを買ってもらおうと思ってやってみたましたが,未だに襲われたことどころか,目の前に現れたことすら一度もないです。幽霊が怖気づいた訳ではあるまいし。
これだけだと幽霊信者に「自分が見たことがないだけで,いないといっていいのか!?」とお叱りを受けそうです。しかし,幽霊の「設定」は人が死んだら幽霊になるということだったはずで,その辺にウジャウジャいるはずです。40年も出会えなかった時点で,幽霊などいないことの状況証拠として十分でしょう。
また,私たちの周りのものを見渡してください。ほとんどが元をたどれば全て人間が人工的に作った人工物です。自然界にある植物だって,それが有機・無機物の塊であることが科学で分かっています。そこに幽霊が存在する余地などないのです。
「でも幽霊がいないことの証明になっていない!」と言われれば確かにそうです。「無い」ことの証明はいわゆる悪魔の証明というヤツで,できません。なので,上記の状況証拠的に『幽霊はいない』と言えるのです。
統計データ:幽霊を見たことある20%,信じる50%・・・
しかしこちらのサイトに驚くべきデータがあります。
こちらのデータによるなんと、幽霊を見たことがある人が20%,幽霊を信じている人が50%超もいらっしゃるということでした。
女性ほど,体調を崩しやすい人ほど,占いを信じる人ほど,幽霊も信じやすい傾向ということで,これが何かを物語っている気がしますが,次になぜ人は幽霊を信じてしまうのかを考えてみましょう。
幽霊を信じる人の心理と理由
①幽霊がいた方が世の中楽しい
意外とありそうなのが,本音では「幽霊なんていない」と思っていても,聞かれたときに,つい願望に近い気持ちで「幽霊はいる!」という答えてしまうパターンです。
特に,変化のない退屈な終わりなき日常に飽き飽きしている現代人がそのように答えても不思議ではないです。
他のパターンとしては,「幽霊を信じますか?」という一見間の抜けた質問に対して,ついノリで「いる!」と答えてしまうということもあるでしょう。
先ほどのデータでもその半分くらいは,このような人たちかもしれません。しかし残り半分の「本当に幽霊がいる」と思っている人たちが少なからずいることも事実でしょう。それでは,それでも尚,なぜ彼らは幽霊を信じてしまうのでしょうか?考えてみます。
②自然科学に対する無知
まず,自然科学(物理,化学)というもの,自然科学が人工物だけでなく自然界のかなりの部分を説明できるという事実について知らない,というのが大きな理由にあると思っています。
例えば心霊写真。その物理や工学の素養があれば,幽霊など入り込む余地はほとんどないことがわかります。
まず,光(可視光)は電磁波であり,人間の目が認識である波長帯のものです。携帯電話にはいっているカメラモジュール(とその中のCMOSイメージセンサー)は,理系の技術者が原理の全てのをわかったうえで,設計し製品化したものです。
被写体にカメラを向けて,光(可視光)を電気信号に変えて,メモリに保存する。これらの一連の流れに幽霊が入り込む余地はありません。
もし幽霊が写真に写るのだとすると,幽霊は「光」といういかにも科学的なものを発していることになるのですが,心霊学者さんたちはそれでいいのでしょうか?
彼らはいいます「科学にも分かっていないことがある」と。しかし,それ以前に彼らは科学でわかっていることが何一つ理解していない場合がほとんどなのです。
③論理的思考力がない
仮に科学の知識があったとしても論理的な思考力がないと,無いものをあると信じてしまいがちです。
例えば先の心霊写真の例をもう一度見てみます。
光(可視光)は電磁波であり,人間の目が認識である波長帯のものです。携帯電話にはいっているカメラモジュール(とその中のCMOSイメージセンサー)は,理系の技術者が原理の全てのをわかったうえで,設計し製品化したものです。
被写体にカメラを向けて,光(可視光)を電気信号に変えて,メモリに保存する。これらの一連の流れに幽霊が入り込む余地はありません。
この主張をするには,「光」についての物理学の知識,デジタルカメラの原理の工学的な知識が最低限必要です。
しかしこれらの知識に加えて,物理学,工学の知識の中から,必要な「光」,「デジタルカメラの原理」に関する必要な知識を抜き出す作業,さらにこれを組み合わること必要で,これにより初めて上記の論理展開ができます。
つまり,バラバラの知識をもっていても、それを運用することができなければ,「心霊写真に幽霊は介在しない」という結論を導けないです。
科学をわかっていても論理的思考力がないことで無いものを有ると信じてしまう例は幽霊に限らずあります。
これは小保方さんのSTAP細胞事件「STAP細胞は,ありまぁ~す!」のように,科学者で知識はあっても,論理的思考力の欠如により,あって欲しいもの(STAP細胞)をあると信じてしまうのです。
④死んだら終わりと認めたくない深層心理
死んだらいったいどこに行くのだろうか?という子供の頃からの疑問があります。
そして大人になると悟ります。人は必ず死に,無になると。
無になれば,子供の頃から築いてきた精神世界も無となります。これはどうやっても否定できない事実です。最後はヨボヨボになるか,そうでなければ早死(かわいそう)して終わり(無)です。
こんな終わり方,あんまりだ,悲しすぎる,むなしすぎると思います。
そんなとき,幽霊は「死」を連想させる恐怖の対象でありながら,同時に人間を「死」のむなしさから解放しているくれる都合の良い存在なのではないでしょうか?幽霊という存在を認めれば,少なくとも子供の頃から築いてきた精神世界だけは保存される。
このように考えると世界で共通して幽霊(英:ghost,中:鬼・・・)の概念があることが納得できます。
世界万国に共通する,人間の死の後に訪れる無に抗うために必要な宗教的な概念,本当はいないんじゃなかと思わせながら,勢い余って本当に信じてしまう人(②③に該当する人たちを中心に)もいる、フワっとした存在。それが幽霊なのではないかと思うのです。
まとめ
今回は子供の頃からの疑問であった,幽霊を信じる人の心理・理由について考えてみました。実際に書いていくにつれ,幽霊を信じるなんてあり得ないから,まぁ「必要悪なのかな」と少し寛容になれた気がします(笑)今後もこの類の話題については考えていきたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。