江のブログ

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アラフォーサラリーマンが『進撃の巨人』を観たら面白すぎてハマってしまった件~一気見した感想とアラフォー以降世代も楽しめるポイント~

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ハマった末に訪問した『進撃の巨人』のイベント@みなとみらいのポスター

 皆さん進撃の巨人という漫画・アニメはご存じでしょうか?「壁に囲まれた世界にいる人類と,人を食う巨人との戦い」という設定で始まるこの作品は,海外では『Attack on titan』と英訳されて,国内外でアニメファンの中で絶大な人気があります。

 個人的には,人気があるのは知っていたのですが,これまで観る機会がありませんでした。というのも,自分や周りのアラフォー世代は,あまり最近のテレビやドラマなどの映像コンテンツに興味がなくて(海外ドラマは除く笑),こういったものからずいぶんと離れているからです。

giron.hateblo.jp

  そのため,仕事以外の日常会話でも話題に上がることもありません。つまり,『進撃の巨人』というワードが頭をよぎる機会がそもそもなかったのです。

 

 しかし年末にたまたま見た『進撃の巨人』を見たら,感動を覚えるくらい面白く,特に後半の予想外の展開にすっかり嵌ってしまいました。いまだに,Youtubeの海外Reaction動画を見たりの生活から抜け出せません。そして今では,最近のテレビ,ドラマ,映画から離れてしまった忙しい世代にこそ見てほしい素晴らしいコンテンツだと思っています。

 という訳で,今回はせっかくなので備忘録的に『進撃の巨人』のおすすめポイントと一気見した感想を書いてみました。

 

『進撃の巨人』のイメージと実際観てみて

 進撃の巨人は原作者「諌山創」さんの作品で,漫画では2021年4月9日に月間マガジンの11年の長期わたった連載が完結しました。アニメは全4シーズンある中で,ファイナルの4シーズン目の前半を放送中(2021年春時点)で,2021年末に完結の予定です。

観る前の印象

 自分が『進撃の巨人』見始めたのは2020年の年末です。

 プライムビデオで無料で観れるのは知ってましたが,これまでプライムで見るのは海外ドラマくらいでした。そんな当時の『進撃の巨人』のイメージですがこんな感じです。

  • 「壁の中の人間」対「巨人」という設定が面白いらしい・・・が設定モノ?
  • 7~8年前にブームになっていた気がするが,最近は昔ほど聞かないような・・・

  しかし,ちょうど暇なときに,たまたまアマゾンプライムビデオで見始めて,すっかりハマってしまい,最新回(全4シーズン中のシーズン4の真ん中らへんです)まで一気観しました。

観た後の感想

 結論から言うと,この作品のすごさは,基本的な「人間」対「巨人」のアクションやドラマの面白さはもちろんあるのですが,特にアラフォー世代でも訴求できるポイントとして次の点があると思いました。

  • 物語のスケールがどんどん大きくなって行き,作品全体を大局的に捉えたときに序盤のスモールスケールで起きていた未回収の謎(伏線)が,後半鮮やかに回収されていく。
  • これに伴い,少年漫画とは思えない物語の深さと重厚さになっていく。

  1つめについてですが,単に伏線の数が多いとか,複数の伏線が1つづつバラバラに回収されていく,というのではないです。 

 まず,物語の前半で読者・視聴者に感じさせる物語の設定や世界感があるのですが,物語の後半に,遥かに広大な世界感があることが判明します。

 そして,その広大な世界観に紐づき物語を大局的に捉えることで,仕掛けられた数々の伏線が,驚きをもちつつも,無理なく自然に回収されるのです。

 

 そう,つまりはシーズン1の最初から,物語の全体が壮大な世界感に基づき出来上がっていたのです。ここが場合たり的にエピソードが追加されて間延びするほかのアニメや海外ドラマとは全く違うところです。

緻密なストーリー展開

 いくら最初にいいアイデアがあっても,物語の進め方がうまくないと,最初にネタバレしてしまったり,伏線回収が遅すぎて飽きられてしまいます。

『進撃の巨人』では,上述したように,後半になって初めて明らかになるあっと驚く壮大な世界観があります。

 ここで感心するのが,物語の前半には伏線という名のヒントを多数提示しながらも、ネタばれしないように巧妙にストーリーが展開されていくことです。 

 

 つまりシーズン1,2あたりまでは,そもそも「なんで人類は壁に囲まれた世界にいる」「壁の外から巨人がやってくる」「巨人は人を食べる」という物語全体の『設定』を前提とした,バトルやドラマが中心です( ネタばらし前に,十分に面白いと感じさせるということがすごいです。)。

 ですが,シーズン3前後から,その『設定』のネタばらしや,謎解き(伏線回収)に焦点が移ります。そして,シーズン3の最後にそれがわかったとき,上記の『設定』およびシーズン1,2に散りばめられていた伏線が矛盾なく鮮やかに回収されます。

 

 要は,はじめから10の世界があるのに,しばらくは3とか5までしか見せません。3とか5で十分に面白いと思っているのに,後半にダメ押しで10の全貌を見せられて圧倒されてしまう,という感覚です。

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ハマった末に訪問した進撃の巨人のイベント@みなとみらい

ストーリの深みと過去の名作との比較

 伏線の話に偏りましたが,ストーリーも深く重厚です。

 後半になるについて世界の全貌が明らかになりますが,その過程で,文明,政治,人種,戦争など,さまざまな現実社会にも存在する問題を考えさせられます。

その深さでは,過去の漫画・アニメの名作である手塚治の「火の鳥」「MW」「ブッダ」などの名作と比肩できるか,それ以上の深みに到達していると思ったくらいです。

 

 『進撃の巨人』は,ややもすると少年漫画雑誌に連載されている子供向けのアクション物と誤解されがちですが(そういった楽しみかたもできますが)全く違っていて,過去の名作と同等かそれ以上のストーリーの深みをもつ,大人でも楽しめる作品に仕上がっているのです。

 

 他にもアニメ版は,もちろん映像が素晴らしい,音楽が素晴らしい,声優が最高など,非の打ちどころがないです。

 

 まぁただ,これだけだとなんのこっちゃわからないと思うので,シーズン1~3の間に感じたことを書いていきたいと思います。

 

アラフォーが『進撃の巨人』を見た詳しい感想

シーズン①

 シーズン①の序盤は『人間』対『巨人』のアクションが中心です。

 何も前提知識・固定観念なしで見始めましたが,ある程度人生経験を積んでいるアラフォーの自分からすれば,最初は『普通に面白いかな』という印象でした。

 

 まず作品の『設定』とそれを生かしたアクション,バトル、ストーリーが面白いです。「壁の中で絶滅寸前の人類」と「人を食べる見た目にも気持ちの悪い巨人」との戦いという設定です。

 「人間」対「(無知性の)〇〇」という意味では,ゾンビものを想起させます。ただ巨人であることを生かして,「立体起動装置」という対巨人用の戦闘用アイテムが登場するのですが,これが巨人との空中戦のアクションを各段に面白くしてくれています。なるほど人気がでるのもわかります,といったところです。

 

 そしてストーリーも意外な展開の連続です。かなり前半で主人公が死んだと思わせる場面があったり,特別な巨人には人がなれたり,特別な巨人に成れる登場人物が他にもいたり,などです。

 ただそのときは,これらのサプライズが,”その時”視聴者を驚かせるための”その場限りの設定であって、まさか後半で,これらが”伏線”であり,この後判明する衝撃の世界感から導かれる必然の設定とは思いませんでした。

シーズン②

 シーズン②は,味方キャラの過去の掘り下げや,内部に裏切者(というか最初からですが)がいたことが判明して,それにまつわるドラマや戦闘がメインです。また,設定である「巨人がどこから来たのか?」にも少し切り込みます。

 

 ただ今となったは特別な作品である本作ですが,初見でみた当時を思い返すと,上記のいずれも意外性があって面白いものでしたが,まだ『特別』とは思っていませんでした。

 というのは,海外ドラマを見ていると,味方に裏切りものがいるというパターンというのはよくあるし,「なぜ都合よく内部に裏切りものが複数名もいるの?」とか,その場面を面白くするためのその場限りのものに思えたからです。

 ただし実際には,こういった場面も実は伏線だったことが次のシーズン③を見るとわかります。

シーズン③

 このシーズン③,さらのその後半こそが,この作品全体のハイライトだと思います。

 シーズン③になると,物語の方向性が少し変わってきます。シーズン1,2は「壁の中で巨人と戦って勝利する」話だったのが,「壁の外がどうなっているのか?」に焦点が移っていくのです。

 通常のアニメなら,物語の『設定』に理由を求めるなど野暮なことに思えますが,作品自らがその方向に進みます。

 

 そしてシーズン③の最後にそれが判明することを予感させる展開になり,早く知りたいという気持ちがある中,そして謎が解明される直前に決戦があります。

 まず,この決戦が最高に面白いのです。特に,終盤のエピソード16-18は神がかっています。

 単純に,ドラ,アクション物として面白すぎるのです。1つ1つのエピソードが実に中身が濃くて,「アクション」,「自己犠牲」,「選択」,「勇気」,「涙」など,ドラマの要素が高レベルに凝縮されています。

 言ってみれば,ハリウッド的な面白さではあるのですが,これは実際に見てみないと伝わりませんが,ともかくハイレベルなエンターテインメントとして仕上がっているのです。

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ハマった末に訪問した「進撃の巨人のイベント@みなとみらい」にて

 ここまででシーズン③は最高レベルに面白いですが,さらに残りのエピソードの伏線回収で驚嘆させられます。

 

 エピソード19-22で「壁の外がどうなっていくのか?」「巨人のどこから来たのか?」のネタばらしが為されます。

 正直これだけ引っ張ってのに,大したことなかったらどうしようと,いらぬ心配をしてしまいましたが,結果こちらの期待の上を行く世界観でした。

 

 詳細には立ち入らないですが「単に壁の世界がこうでした,以上」というのではありません。

 「壁の外の世界」が判明することで,物語の前提となっている,「なぜ人類が壁の中に閉じ込められているのか?」「巨人がどこから来たのか?」「巨人はなぜ人を食べるのか?」ということのほぼ全てが,無理なく説明されていきます。

 さらに,これまでシーズン①~②を振り返ったときに,各場面で見せ場を作って盛り上げてきた出来事や行動も,新たに判明した「壁の外の世界観」から納得感をもって理解できてしまうのです。

 具体的には,「なぜ知性をもった巨人がいるのか」「なぜ内部に裏切者がいたのか?」といったことも,行き当たりばったりの単なる「出来事」ではなくて,壁の内外を含めた壮大な世界観の中から導かれる必然の設定だということがわかるのです。

 

 また,これまでなんとなく受け入れていた,壁の中の時代遅れの中世ヨーロッパのような街のデザイン,一見男女がわからないような巨人のデザイン,なんで巨人が気持ち悪いのか,こんなところにもイチイチ理由があったことに気づかされます。

 その後も振り返れば振り返るほど,ちょっとした作中のちょっとした出来事にも意味があったことに気づかされるのです。

 あまりにもよくできていたことに気づき,自分はこの時点で『進撃の巨人』は特別な作品になり虜になってしまいました。

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ハマった末に訪問した「進撃の巨人のイベント@みなとみらい」にて

シーズン④(ファイナル)

 ファイナルシーズンでは,シーズン③で広がった世界観の中で,物語の終焉に向けてストーリーが進行します。

 世界観の広がりという観点では,これまで以上の驚きはないですが,これまでやられる一方だった主人公側勢力の逆襲,さらにそれに対する敵側の報復,またそこまでやるか?という展開など,相変わらずエンターテインメント性の高いストーリーが続きます。

 アニメは現在,シーズン4の前半までなので感想はここまでとしますが,先日(2020/4/9)公開された最終話についてはいろいろ賛否両論あるようです。

 進撃の巨人は,人によってはストーリーが難解です。

 そのため,既に公開済のシーズン,エピソードについても間違った解釈が散見されるくらいです。そのため,いろんな考察サイトが立ち上がっていますが,いろいろ見た限り,誰も最終話の展開について当てられていなかったです。

 終盤にきてストーリーの分岐の可能性は狭まり結末が予測しやすくなることが避けられない中,結末を予想させない発想力や物語の展開のうまさというのは改めてすごいなと思いました。

おわりに

  今回は,アラフォーが『進撃の巨人』を観た感想をなるべくネタバレしないように,書いてみました。また,最近のテレビ,ドラマ,映画がつまらなくて,すっかり離れてしまった忙しい世代,政治や社会問題に興味のある方にこそ見てほしい素晴らしいコンテンツです。自分の中では,これまで漫画,アニメで常にトップであった『手塚治』の漫画と同等かそれ以上に物語の深みを持っていると思っています。

 なんとアマゾンプライムで無料で観れますし,見ないと損しますので是非ご覧になってはいかがでしょうか?