江のブログ

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【日本の大企業の経営幹部】「根回し力」と「スピーチ力」しかない2流経営者が無能である理由

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 アマゾン社長のジェフ・ベゾスは,経営者で一番重要なことは何かと問われ,「1日3回のいい決断をすることだ」と明言しています。

 また,近年では稀有な存在となっている日本の敏腕経営者,日本電産の永守社長も,日本の経営者の決断の遅さを嘆いた上で,「自分は3秒,いや1秒で決断する」と発言しています。いずれも,世界が認める大企業の一流の経営者でありリーダーです。

 

決断の速さは企業の生産性を向上する

 こうした一流経営者に共通する資質に『決断が早い』ことがあるのはなんとなくイメージがつくと思いますが,具体的にこういった決断の早さによって得られる企業側のメリットは何でしょうか?

 それは,生産性の向上ではないかと思います。経営方針が二転三転すると,それによって従業員は無駄な努力ややり直しを強いられます。また,会議の中心はプレゼンですが,それは幹部に決断に必要な情報が与える作業と言え,それ以上では以下でもありません。

 決断が早ければ,その審議のためのプレゼン準備を短くすることができ,より生産的な業務に時間を充てることができます。

ポイント

一流経営者に共通する資質は「決断の速さ」。「決断の早さ」は,企業のスピード感だけでなく,社員の「業務生産性を向上」する。

日本の大多数の経営幹部は決断が遅い

 一方,かつては世界が認める大企業であった私の会社の経営陣,所属する研究所のトップはどうでしょうか?

 実際,会社の中にいると,長く会社に所属して会社文化に染まっている人ほど,とにかく決断が遅い,あるいはしないと感じます。

会議があっても決断しない/できないので,決断するための考える題材を得るため,部下に大量の宿題を出します。

 結局,決断が怖いのです。決断に失敗したときに責任を取りたくないのです。自分を守っているのです。

 決断しないせいで,会議が1回から2回,3回と増えるだけなく,大量の宿題に対応することで,関係者の貴重な時間をさらに奪うことになります。

 

ポイント

 日本の経営幹部の決断が遅さが無駄な時間を作り,社員の業務生産性低下に繋がっている,ひいては日本全体の国際競争力を低下させている

日本の大企業経営陣に求められているもの:根回し力・スピーチ力

 それでは日本の大企業の経営陣は何が得意で選ばれているのでしょうか?

 20年近く大企業にいた経験からすると,関係者を巻き込みかつ問題を起こさない『根回し力』と,大人数に前で堂々と話しをする(どうでもいい)『スピーチ(挨拶)力』です。

 これらは日本の大企業文化に中でうまく生き抜くためには大切な能力です。

 しかし,これらは会社を成功に導く戦略立案能力と直接関係するものではありません。

『根回し力』は事業戦略を進める上の1つの手段に過ぎないですし,むしろ決断を遅くする要因になり得ます。

また『スピーチ力』も実績を残した後に自らの体験を語るからこそ,話がありがたいのであって,飲み会の挨拶みたいなものは経営者の資質と何の関係も能力です。

 

業務生産性向上のための施策である『働き方改革』の実態は?

 働き方改革の具体的な施策で,業務を強制終了させるやり方があります。

 このやり方は,残業のしすぎで従業員の疲労や集中力の低下により生産性が落ち,時間をかけているのにむしろアウトプットが下がっている場合にのみ有効です。

 しかし,もともとマネージメントの問題で職場の生産性が下がっていてアウトプットが落ちている上記のような職場の場合,業務強制終了はただアウトプットをさらに下げるだけです。 

 このような場合は,経営者に代わって頂くか,心を入れ替えて頂くしかありません。このような落第経営者にならないように,経営者ならなるべく早く決断をすべきです。しかも,それをなるべく少ない情報で決断すべきで,そうすることで部下に余計な負荷を与えないで済みます。少ない判断材料でも適切な選択しを高確率で選ぶ,部下に迷惑をかけない、結果の責任も取る。そうすることで,尊敬されるリーダーになるのではないでしょうか?

 だが実際には,このような決断しない経営者ほど,愚直にお上の言うことはきいて,どこかで聞いてきたような,ありきたりな業務強制終了を働き方改革だとして称して愚直に実行しているようです。自分自身が生産性を低下させた職場では,もはや業務の強制終了の施策は生産性をさらに落とすだけです。

ポイント

経営幹部の決断の遅さに,働き方改革の時短が加わって益々生産性が低下している

真の問題解決のためのあるべき論

 このような負の連鎖を止めるにはどうしたらいいでしょうか?

 これには,組織のツリー上,一つ上位にいるものが,問題の経営幹部を排除するしかないです。まず社長が決断しない場合は,その上の人はいないのでもうどうしようもないです。しかし,下部組織のリーダーでさえ,問題の幹部を排除するのが難しいのが現状です。

 これは次のような日本の人事システムが由来していると思います。日本の大企業では,役職定年以外で人事で降格することは殆どあり得ません。だから,日本の大企業では決断をしないことで皆に損害を与えていたとしても,このような幹部を降格させることは,上位のものでも,かなり勇気のいる,リスクの高い行為です。

 このような状況で,あたらめて決断せず,職場の生産性を低下させるリーダーを生まないにはどうしたらいいでしょうか?

 これはすぐにできることではないですが,やはりボトムアップ的に,最初で述べたように一流の経営者が実践している『行動』を理想のリーダーの模範とする共通認識を持つことだと思います。つまり,リーダーに必要な大切な要素は,「少ない判断材料で適切な決断を早くする能力だ」ということが市民権を得ることがまずは必要ではないかと思います。

ポイント

日本の忖度文化では現状を変えるのは困難だが,上記問題点を現在のリーダー,将来のリーダーである若手が認識することで徐々に変わってくることを期待

まとめ

 今回は日本の大企業の上司と,世界に名だたる経営者が,『決断をする』という点に於いていかに違うかということに焦点を置いて分析してみました。あなたの会社の上司や幹部はいかがでしょうか?決断できない経営陣がトップだとその会社の先は明るくないかもしれません。